太陽がちょうど真上にくると私はベッドから起きだす

去年末に2015年を総括するブログを書こうと思っていたのだけど、休暇に入ってからは南国でのんべんだらりとビールを飲んだくれる日が続いたため、ついぞMacを開かないまま年が明けてしまった。

今までライト系のビールなんぞ飲もうと思った事はほとんどなかったのだけど、バドライトというアメリカのビールがこのジリジリした暑さの渦中にいると滅法美味しく感じ、まるでチェーンスモーカーのごとく、空けては飲み、飲んでは空けてを繰り返す一週間で、たちまち身体が重く、そして顔は丸くなってしまった。ハンモックがギシギシ音を立ててヤシの木が悲鳴を上げているけど、知った事ではない。

昔は自分がビールを美味しいと感じる事など一生ないだろうなと思っていた。おなじように、嫌いだったものが好きになったり、好きなものが嫌いになったりして、好悪の価値観というものは流動的なのだなあと思わずにいられない。一方、嫌いだったものが「まあ存在くらいは許してやろう」という「許容」の範疇に移動することもあるし、他方では好きなものが急に色褪せて見え「興味がない」というカテゴリへ突然放り出されることもある。一体全体、私は何様か。

たとえば、コロナやシンハーやモヒートなどの南国のお酒を真冬の日本で飲んだり、または真夏日でも起き抜けの朝8時とかに飲んだりするのは違うだろう。カサノブレだってメヒコで飲んだ方が絶対においしいし、ナパのワインもLAの空の下で飲めばより格別に決まっている。つまり、好きとか嫌いとか、愉快だ不快だという感情から来る評価軸のファクターというのは、「時間」とか「シチュエーション」とか「経験」みたいなものに多くを支配されていて、対象そのものが持つ「本質」とは全く関係ないという事を、実は私たちは忘れがちだと思う。

だのに、人は自分のことを棚に上げて、個人的な好悪や快不快などの感情を軸に、物事を得意げに評価する立場にあろうとする。「感情」というフィルターを通した「本質」は、どこかしら甘くぼやけながら濁って見えて、それは私たちにとってとても都合が良く、甘美ですらある。本質だけで人間やっていけないわけで、この絶妙なシーソーの上で理性と本能を行ったり来たりしながら生きていくという事が、「人間らしい」という事なのかなあと私は今になって思う。(昔は理性を持って本質を見据える事が正しいと思っていたものだけどねえ)

人々がセックスをしたり、結婚したり、子どもをもうけたりする理由というのは、遺伝子やら子孫やらを残すという動物としての基本的なファンクションが呼び起こすからなのだと思うけど、そのトリガーとなる最たるモチベーションは「感情を分かち合いたい」ということだと思う。

喜怒哀楽、好きな事や嫌いな事を他の誰かと分かち合いたいという強い欲求が人と人を繋げ、それが生きる喜びとなり、種族としてのヒトを後世に繋いでいく。だからこそ、こうやって周囲に対して偉そうにこれが好きだのあれが嫌いだのということを表明しながら、私たちはいつも仲間を探しているんだろうなあ。その中で家族だとか恋人とか一生の親友とか、様々な属性を持った仲間がいつのまにか見つかって行って(あるいは見つけてもらって)、その存在が生きていく糧となる。だから感情を素直に表現していく事はとても大切だし、陳腐だけど、やっぱり人はひとりでは生きて行けないんだ。

ただ、そういう好き嫌いなんていう、いつどっちに転ぶかわからない曖昧な感情で生かされてると考えるといささか不毛な気もするけど、やっぱりアメリカで飲むバドライトは美味しく感じるし、日本に戻ればアサヒスーパードライを飲むような、そんな潜在的な好悪の選択の真ん中で私たちはいつも生きている。でも、そんな感情が共有できる仲間は実はとても限られているから、たくさんの人との出会いが可能性に満ち溢れていて楽しいし、飲んだことのないビールを試してみたくなるのである。ビールの話、我ながらしつこいな。

で、そういう風に考えると、こうやってブログで私と出会ってくれた、まさに今これを読んでいるあなたや、SNSやメディアなどを通して私を好意的に知ってくださっている方、あるいはもちろん実際にお会いしてお話しした方々など、ひとつひとつが本当にミラクルのように感じられて、作詞家としてこの感動を皆さんにお伝えすることが出来るならば、出会えた奇跡にマジ感謝して瞳を閉じればキミがいるし翼広げて飛んでいきたいなって感じです(おい)。

閑話休題。冗談はさておき、これからも変わらず応援していただけるよう、精一杯私が「好きだなあ」と思う音楽を作っていきたいと思いますので、2016年もひとつ、どうぞよろしくお願いします。

P.S.

今年はやっと、STYのソロを作ろうと思ってる。(笑)
おたのしみに!

P.P.S.

このエントリーのタイトルはピチカートファイヴの「私の人生、人生の夏」という曲の歌詞を引用しています。

1コメント

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  • STYさん、ブログ更新ありがとうございます! あらためまして、明けましておめでとうございます! 2015年もSTYさんのたくさんのステキな曲が聴けて幸せでした! いつも本当にありがとうございます(o^^o) 今年もSTYさんのご活躍を楽しみにしてますっ♡ 前のめりで全力で応援します♡ STYさんのソロもすごく楽しみにしてますっ( ´艸`)